医師紹介
院長
略歴
- 1997年 北海道立函館中部高等学校 卒業
- 2004年 岩手医科大学 卒業
- 2006年 岩手医科大学口腔顎顔面再建学講座
歯科麻酔分野 - 2008年 わかみ歯科クリニック(非常勤)
- 2011年 岩手医科大学大学院卒業(博士号取得)
- 2015年 秋田厚生連雄勝中央病院(非常勤)
- 2016年 岩手医科大学非常勤講師
- 2017年 SJCD東北支部 理事
所属
- 一般社団法人日本歯科麻酔学会(認定医)
- 日本顕微鏡歯科学会
- SJCD(Society of Japan Clinical Dentistry)
講演活動
- 局所麻酔 -実践と臨床-秋田講演
株式会社ササキ・カボデンタルシステムズジャパン主催 - 局所麻酔の基礎・臨床 -安心・安全・必効 局所麻酔法-
一関市歯科医師会 - 局所麻酔 -実践と臨床-八戸講演
株式会社ササキ・カボデンタルシステムズジャパン主催 - 局所麻酔 -実践と臨床-盛岡講演
株式会社ササキ・カボデンタルシステムズジャパン主催 - 局所麻酔と全身偶発症
–局所麻酔・本当にいいの?その使い方 診療中の偶発症・大丈夫!安心して!
旭川歯科医師会
受講セミナー
- 弘岡秀明・歯周病学コース 弘岡秀明先生
2012年−2013年 - ブローネマルクシステム・インプラントコース 小宮山彌太郎先生・夏堀礼二先生
2014年・2015年 - SJCDマスターコース 山崎長郎先生
2015年
その他多数
業績
- 口腔外科手術に対し超短時間作用性オピオイド鎮痛剤:レミフェンタニルを用いた全身麻酔症例15例の検討
鎌田 俊,栗原寛人,小川さおり,鹿島悠子,池田淳子,佐藤健一,佐藤雅仁,城 茂治
第22回日本歯科麻酔学会東北地方会 - Mepivacaine Has a Vasoconstrictor Action?
S.KAMADA, D.YAMADA, C.ENDOU, K.SATO, M.SATO, and S.JOH,
Dep. of Dental Anesthesiology, Iwate Medical University, Morioka city Japan.
88th GENERAL SESSION&EXHIBITION of The IADR, July 14-17, 2010.
(スペイン・バルセロナ) - ブタ舌動脈血管平滑筋に対する塩酸メピバカインの作用について
鎌田 俊、佐藤 健一、佐藤 裕、千葉 淳実、大橋 綾子、城 茂治
第38回日本歯科麻酔学会総会 - ブタ舌動脈血管平滑筋に対する塩酸メピバカインの作用
鎌田 俊、佐藤 健一、遠藤 千恵、石塚 淳実、山田 大爾、佐藤 雅仁 城 茂治
第39回日本歯科麻酔学会総会 - Effect on Auditory Memory by Venous Psychosedation with Dexmedetomidine
Joh Shigeharu, Shun Kamata
13th International Federation of Dntal Anesthesiology Societies
(ハワイ・コナ) - The Efficacy of Preoperative Oral Care on Postoperative Patient’s Conditions.
C.ENDO1), R.AOKI2), M.SEKINE2), S.KAMATA1), M.SATOH1), and S.JOH1),
90th General Session & Exhibition of the IADR
(ブラジル・イグアス) - ワルファリン療法中患者の全身麻酔管理経験
鎌田 俊、大橋 綾子、鍋島 謙一、四戸 豊、佐藤 雅仁、城 茂治
第28回東日本歯科麻酔学会 - 2弁置換術に先だって行われた抜歯・嚢胞摘出術のための全身麻酔経験
鎌田 俊、三浦 仁、大橋 綾子、遠藤 千恵、佐藤 雅仁、城 茂治
第29回東日本歯科麻酔学会 - 塩酸メピバカインの血管平滑筋に対する作用および作用機序の検討
鎌田俊 佐藤健一 佐原資謹
日本歯科麻酔学会雑誌 第40巻第1号 - 口腔癌切除術および自家遊離皮弁再建術後に長期集中管理を行った1例
岩手医科大学歯学部口腔顎顔面再建学講座 歯科麻酔学分野
鎌田 俊、大橋 綾子、城 茂治
日本歯科麻酔学会雑誌 第41巻第2号 - その他多数
雑誌掲載
インタビュー
(メディカルページ2016年8月号より抜粋)
顕微鏡歯科治療など最新技術と徹底した衛生管理を導入
予防歯科医学の啓蒙で将来の口腔健康もサポート
5月に開院した「シュンデンタルクリニック」は、歯科用顕微鏡による精密な治療に加え、3D画像を用いた患者さまとの病態情報の共有や徹底した衛生管理など技術と設備にプラスして、予防歯科医学の啓蒙で将来的なお口の中の健康維持を目指しています。
同クリニックの鎌田院長にお話をお聞きしました。
シュンデンタルクリニックは正しい歯科医療をめざし、6つのポイントを掲げています。
その1つが予防の啓蒙ですね。
本質的に予防を媒体にした歯科医療を切り開いていきたいと思っています。予防をして、とにかく虫歯をつくらない、歯周病にならないお口の中の環境をつくってあげたいです。患者さまは、差し歯や義歯が壊れたとか虫歯になったとかで来院されます。壊れたものも一生懸命治療しますが、患者さまには同じような状況に二度とならないようにしてほしいのです。
治療にかかる費用と労力、時間は予防にかかる費用と時間に比べればとてつもなく大きな負担になります。そういう啓蒙をしていきたい。
僕は患者さまに歯のエステと言っているのですが、フィットネスクラブに行っているような感覚で、歯のメインテナンスに通っていただき、高い健康感、歯に対する意識をもっていただきたいです。
石川町に開院された理由は?
探して、選んで来て欲しかったからです。近隣にも歯科医院はたくさんあります。その中から選んで来てもらえるような歯科医院でありたいという思いです。
健康感や意識の高い人がちょっと探して、背伸びをして、シュンデンタルクリニックに来院して頂きたかったのです。
また、石川町周辺は平均世帯の年齢が恐らく30代だと思いますが、予防を啓蒙するのであれば若い方が住んでいる町の方がいいと思いました。
昔、スウェーデンで歯科医療が崩壊した時、国策として予防という概念を国民に浸透させました。結果として疾患率が下がり、80歳以上の残存歯数が日本では10本なのに対しスウェーデンは20本です。
予防の概念には、あまりあるベネフィットがあると思います。
当院では診察券の代わりに診察ブックを患者さまにお渡ししています。この中にも、痛いから来るのではなく、「5年後、10年後の笑顔のために」と書いています。
設備の面では徹底した衛生管理もポイントにしていますね。
ヨーロッパでは診療に使われるすべての水をきちんと消毒するのは当たり前です。
もちろん診療に使われる器具を完全に滅菌することも当たり前です。
2015年8月27日の読売新聞では歯科医院の診療ユニット内給水回路の水が繁殖したバクテリアで汚染されているという記事がありました。
歯科医院で用いられている診療機器はしっかりと滅菌・消毒しなければ重篤な疾患(エイズやB型、C型肝炎)に人から人へ病気が移るのです。
Microbiological evaluation of a range of disinfectant products to control mixed-species biofilm contamination in a laboratory model of a dental unit water system.
Walker JT1, Bradshaw DJ, Fulford MR, Marsh PD.
Appl Environ Microbiol. 2003 Jun;69(6):3327-32.2003
2003年にこのような研究が発表されました。
数種類の消毒薬(フェノール系、過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウムなど各種消毒水)を診療ユニットに還流させ、バクテリア汚染がどの程度抑制されるか研究し論文発表されています。
当クリニックでは、上記の消毒薬の中で最も成績の良かった過酸化水素水を診療ユニットに還流させ、バクテリアを失活(反応を起こさなくすること)させています。
普段は低濃度の過酸化水素水を還流させていますが、週に一度、高濃度のものを還流させ、次の日に低濃度のもので循環洗浄しています。
もちろん、診療ユニット、切削器具に送り込まれる空気もコンプレッサー(空気を送り込む機械)の中で除菌しています。
歯科治療は空気と水を圧縮して口の中で刃物を回します。
ですから、ものすごい血液や唾液の飛沫があります。
肝炎ウィルスやHIVなど血液由来の感染物質が隣の診療室から飛沫し、患者さまに感染する可能性がありますから、4室ある治療室は完全な個室です。また、すべての診療器具は患者さま毎に1回使ったら洗浄、消毒、滅菌の工程を経てパックに入れて保管し、使用する患者さまの目の前で開封しています。
歯科医療のインフェクションコントロール(病院内での感染防止対策)の考え方が、日本と欧米では違います。当院の診療ユニットはうがいなどに使うコップに補給する水は、患者さまが体を起こすと同時に蓄えられます。歯を削った黴菌などがコップの中に入る危険性を想定しているからです。
ヨーロッパの診療機器はそのようなところまで気を配っているのです。
そのため診療ユニットも滅菌機も全てドイツ製を採用しています。
正確な診査と診断という点について教えてください。
僕は患者さまと病態を共有したいと考えています。歯科医はレントゲンの二次元画像から患者さまの病態を判断できますが、患者さまは見ても分からない。3D画像を用いた診断装置を導入したのは、白黒の平面図ではなく、3次元のカラー画像で説明すると患者さまも理解しやすいですし、患者さまご自身から画像を見て疑問に思われることを質問してもらえるので、病態の共有が可能になるからです。
歯科用顕微鏡による治療も行っていますね。
顕微鏡治療は視野性の高い治療です。また行った治療を映像として記録し、治療後ご覧になって頂けるというメリットがあります。通常、患者さまは今、どのような治療をされているかが全く分りません。しかし、顕微鏡を使った治療後、患者さまに今、こういう治療をしました。と、映像をお見せしています。映像を写真にしてお渡しして仕上がりのレベルと治療の前後の差を納得していただきます。
歯科麻酔認定医の資格もお持ちですね。
歯科麻酔という学問は、患者さまに痛みや不安を与えず治療を受けてもらうのが仕事です。
頭頚部領域、頭と首の領域の疾患が基本です。深い根の親不知の手術は全身麻酔が必要です。口の中の疾患ですから、全身麻酔では鼻から気道の確保をします。この領域の全身管理を託される立場です。
全身麻酔を行うために全身管理学を勉強します。たとえば血圧の高い患者さまは、われわれが行う治療によって、体の中でどのような反応が起こっているか、歯科治療中に具合が悪くなった患者さまは、体のなかで何が起こったのか、心臓疾患のある患者さまに対して、注射薬の成分はどれくらいまで使っていのかなどを学ぶのが全身管理学です。
歯科麻酔学はマイノリティな学問ですが、対外活動として行っている歯科医師の先生を対象とした講演活動を通じ、僕の講演を聴いていただいて反応があれば、目の前の患者さまだけでなく、その先生の患者さまにもお役に立っている、医療に貢献しているという実感があります。
そもそも歯科医師を志した理由は?
祖父、父、兄とも診療科は異なりますが医師で、もともと医療に接する時間は多かったのかもしれません。特に医療人としての父の影響はとても大きいです。常に患者さまのこと、医療界全体のことを大局的に見て生業をしている。
その姿をずっと見てきました。父のような医療人になりたい。
そして、僕は歯科医師であることに誇りを持っています。
(取材日:平成28年6月3日)